予防歯科の目的は「お口の健康を生涯維持し、美しい歯を育てる」ことです。
小さなお子様であれば、むし歯が1本もないお口の環境をつくることが可能ですし、成人の場合、
治療した部分の再発予防、新たなむし歯、歯周病の進行、口臭、歯の汚れを防ぐことができます。
早期発見・早期治療ではなく、早期発見・長期観察で初期のむし歯などは
削らずに経過観察しながら予防していきます。
予防歯科について
◆歯を守るために、
痛くなる前に歯科医院へ
現在の歯科医療は予防歯科の考えが主流となっており、悪くなったところを“治す”ことも重要ですが、悪くならないようにする“予防する”ことを重要視しています。歯科先進国であるスウェーデンも、むし歯や歯周病にならないように歯科医院へ通い、未然に防ぐことができていることから、世界で一番歯科疾患が少ない国とも言われています。
歯は一度削ると二度と元に戻らないのです。治療のために歯を削って被せ物や詰め物をしても、元に戻ったとは言えません。それらは永久的に使い続けることはできませんし、天然の歯に勝るものはないのです。
そもそもむし歯や歯周病にならなければ、歯を治す、削る必要はありません。歯科医院は「痛くなったら行くところ」ではなく「痛くなる前に行くところ」なのです。
いつまでも自分の歯で健康で過ごすために
◆「年をとれば歯を失うのは当然」ではないのです!
「年をとれば歯を失うのは当然」ではないのです!
「歯を失う」のは、むし歯や歯周病などの病気が主な原因です。誰にでも起こる老化現象ではありません。つまり、病気を予防すれば歯を失うこともないということです。
予防歯科に積極的に取り組んでいるスウェーデンでは、80歳になった時にほとんどの人が若い時とあまり変わらない歯の本数を維持しています。これは、国の歯科医療の方針として「予防歯科」の考えを採用し、子どもの時から歯の健診が当たり前、歯の健康づくりが生活習慣として定着している、ということが大きく影響しているのです。
より効果的な予防を実践するために
「セルフケア」と
「プロフェッショナルケア」で
むし歯や歯周病を予防しましょう!
ご自分でご自宅にて行う「セルフケア」と、定期的に歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」を合わせて予防歯科と言います。どちらも重要ですが、どちらか一つを行っていればいい、というわけではありません。ご自宅と歯科医院でのケアの両方を行うことで、大切な歯を守り続けることができるのです。
●歯みがき
ご自分では毎日しっかりと磨けているつもりでも、実際には、磨き残しができてしまいます。歯科医院での指導を受け、自分に合ったハブラシで正しい歯みがきを行いましょう。
- POINT
- 歯ブラシは1ヶ月に1本交換するのが目安です。
毛先が開いてしまった歯ブラシは、歯にきちんと当たらず、汚れを除去しにくくなります。
●フッ化物配合の歯みがき剤
フッ化物は歯質を強化したり、むし歯の発生と進行を防ぐ働きを持っています。フッ化物を含む歯みがき剤を使用し、毎日の歯みがきをより効果的なものにしましょう。
●デンタルフロス
歯ブラシでは届きにくい、歯と歯の間の小さな隙間まできれいにするため、通常の歯ブラシによる歯みがきの後にはデンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。
●デンタルリンス
就寝中は、だ液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすくなります。それを防ぐために就寝前に、または歯みがきの仕上げとしてすみずみまで殺菌します。
●PMTC
専門の器具を使用して行われる、プロによる歯のクリーニングです。磨き残しや、歯ブラシでは磨けない歯と歯の間、歯と歯ぐきの間まで、徹底的にお口の中をきれいにすることができます。また、PMTC後は歯に汚れがつきにくくなります。
汚れを落とすことで歯本来の白さが戻り、痛みもないためエステを受けている感覚でむし歯や歯周病の予防ができます。
●歯みがき(ブラッシング)指導
お一人おひとりに合わせた正しい歯磨きの仕方、歯ブラシの選び方を丁寧にお教えします。ご自宅でのセルフケアにお役立てください。
●スケーリング(歯石取り)
専用の器具を使って、歯石を除去します。歯周病の原因となる細菌が含まれる歯石は、歯ブラシでは除去できません。