入れ歯の清掃方法について
2019.04.24
カテゴリー: 院長日記
鹿児島市谷山中央にある谷山ファミリー歯科クリニックの歯科医師の永田です。
みなさまは、入れ歯の清掃といえばどのようにするのが、いいとお考えでしょうか?
超高齢化社会と言われている現在、入れ歯洗浄剤の市場は250億円以上と言われており、
ニーズに合わせて種類が豊富になった入れ歯洗浄剤を、ドラッグストアやスーパー、
コンビニ等でも手軽に購入する事ができます。そのせいか、入れ歯は外してそのまま
入れ歯洗浄剤につければいいと思われている方もいらっしゃるようです。
今回は、入れ歯の清掃方法について考えてみたいと思います。
入れ歯の洗浄で重要なのは、入れ歯の清掃の基本はブラシによる機械的清掃!ということです。
入れ歯の清掃には、ブラシによる機械的清掃と入れ歯洗浄剤による化学的清掃があります。
入れ歯の清掃の基本は機械的清掃で、化学的清掃はあくまでも機械的清掃による清掃不良を
補うものです。入れ歯洗浄剤による化学的清掃を行えば機械的清掃を行わなくてもよい
わけではありません。
入れ歯の機械的清掃を行う際に、ブラッシング用入れ歯洗浄剤を使用しても問題ありませんが、
天然歯に用いる一般的な歯磨剤を入れ歯の機械的清掃で使用した場合、歯磨剤に含まれる研磨剤に
によって入れ歯の表面が傷つけられ、細菌を繁殖させるきっかけとなるので、気をつけなければ
なりません。
次に重要なことは、機械的清掃が困難な部分を化学的清掃でカバーする!ということです。
入れ歯洗浄剤による化学的清掃は、機械的清掃で落としきれなかった入れ歯の汚れや、カンジダ菌を
主体とする微生物の殺菌を行うことを目的にしています。
特に、ブラシが届きにくい部分や複雑な形態の部分で、入れ歯の歯と歯の間や入れ歯の歯と歯ぐきの
境目の部分、バネの部分に入れ歯洗浄剤による化学的清掃が有効です。
また、視力が低下し、細かな手先の運動が困難でセルフケアが難しい高齢者にも、機械的清掃が
不十分で化学的清掃が有効であります。
入れ歯をより快適に使用し続けるためにも、残存歯の清掃も十分に行うことも大切です。