メインテナンスのおすすめ

2018.11.14

鹿児島市谷山中央にある谷山ファミリー歯科クリニックの永田です。

今回は、メインテナンスについて考えてみたいと思います。
メインテナンスについて皆さま、どう思われますか?

私は歯科医師として、治療後のメインテナンスは非常に重要なものと考えております。

メインテナンスは、歯科医師あるいは歯科衛生士によるバイオフィルムの破壊・除去を行い
治療によって得られたお口の中の安定した状態を維持し、再発を予防することを目的としています。

そもそも、歯周病は細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯と歯ぐきの境目
(歯肉溝)のお手入れが不十分だと、そこに多くの細菌が集まり歯周病が再発してしまいます。
この、細菌の集まりを除去し続けることで歯周病の再発を予防することができ、
お口の健康を維持することができます。(歯周病ポケット内の歯周病原菌は処置後12~16週間で
もとに戻ると言われています。)

細菌の集まりである歯垢(プラーク)は毎日の適切な歯みがきでほとんど除去するこができますが、
深い歯周ポケットの中や、歯並びの関係でみがくのが難しい部分の歯垢(プラーク)は歯みがきでなか
なか除去できません。これらを、歯科医院にて専門的なクリーニングを行うことによって除去していく
ことがお口の健康を維持するために必要です。

メインテナンスでは、歯みがきの確認や、器械を使っての専門的な歯の清掃
(PMTC プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を行います。
予防歯科の先進国であるスウェーデンでの30年にわたる研究によると、歯のメインテナンスを
受けていた人がその間に失った歯は0.4本~1.8本で、メインテナンスを受けていない人に比べて
失った歯の本数が少なかったとのことです。

メインテナンスは歯周病ばかりではなく、むし歯を予防するという点からも重要です。
初期のむし歯は歯の表面からミネラルが溶け出し、白濁色(牛乳のような色)になります。
この状態をメインテナンスで早期発見でき、対応することでむし歯の進行を止めることが
でき、削る必要はありません。
逆に、初期のむし歯を放置しておくと褐色に変化して歯の表面に穴が開き、治療が必要に
なってしまいます。治療した歯はあくまでも治療した歯であり、詰め物と歯との境目から
むし歯の再発を起こしやすいので、むし歯を予防することが一番です。

メインテナンスは歯周病やむし歯の予防以外にも、お口の中を清潔に保つことにより誤嚥性肺炎の
予防にもなります。その他、入れ歯の調整、口腔粘膜や舌の病気の早期発見など多くのメリットがあります。

治療が終わった安定したお口の中の状態を維持していくためにも、家庭での日常的なケアと
歯科医院での定期的なメインテナンスをおすすめします。

 

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