咬み合わせ
2015.03.30
カテゴリー: 院長日記
歯にかぶせもの(クラウン)を入れたり、失われた場所に歯を作る(義歯やブリッジ)ことを補綴(ほてつ)と言います。
そして、補綴のための人工物を総称して「補綴物」と呼んでいます。
咬み合わせというと、もともとの歯並びが問題になることがありますが、
補綴物の咬み合わせについて考えてみます。
私が補綴物を設計・装着する時、特に注意することが2点あります。
一つは、咬み合わせたときに、しっかりと咬み合い、ずれたりしないこと。
もう一つは、咀嚼時に、きれいに前歯や犬歯がガイドの役割を果たしてくれる事。
違和感なく、機能をはたせるように気を使います。
要するに、グッと咬みしめる事ができて、スムーズに顎を動かす事ができる状態を
作るというわけです。
そんなこと、当たり前と思われるかもしれませんが、実際のところ、
なかなかそう簡単にはいきません。
なにしろ、基準となる顎の位置からして、学問的に変遷してきています。
また、顎の関節の柔軟さでも変わってきます。
1本だけであれば、それほど難しくなくても(そうとも限りませんが)、多数歯にわたる補綴が必要な場合など、なんどもチェックし、しかも仮着で経過を診ることもあります。
時間がかかると思われることもありますが、そんな時こそ急がば回れ。
慎重に進めることが大切です。