痛みを訴えることができない方への口腔ケアについて

2013.02.05

痛みを訴えることができない方への口腔ケアについて、困ったことはないでしょうか?

痛みがあっても訴えることができない方の口腔ケアをする場合、「痛みを感じているサイン」を敏感に感じ取る必要があります。
口腔内の様子、口腔ケア中の表情や反応、場合によっては脈拍や血圧などのバイタルサインを観察して判断します。

痛いところがあるときは口腔ケアを嫌がって拒否動作をすることがあり、介助する側もされる側も大変な労力を要します。
しかし、口腔衛生状態の悪化を放置すると取り返しのつかないことになるので、痛がらせない工夫をして、早めの治療や
ケアをすることが大切です。

以下に、痛みの原因に対する口腔内の症状・口腔ケア時の反応・処置と対応の一例を挙げましたので、参考にしてください。

【歯肉炎・歯周炎】
(症状)歯肉の腫れ、出血、口臭など
(反応)歯ブラシに血がつく
(処置)軟毛歯ブラシ使用、適性圧の歯磨き

【口腔乾燥】
(症状)乾燥した痰、舌苔など
(反応)口腔ケアを嫌がる 顔を背ける
(処置)口腔保湿剤、スポンジブラシ使用

【口角炎】
(症状)口角のただれ、出血、発赤など
(反応)大きく開口したがらない、できない
(処置)軟膏を塗る 入れ歯の調整

【口内炎・潰瘍】
(症状)口腔粘膜の白色・赤色変化 傷など
(反応)器具に血がつく 刺激味を嫌がる
(処置)歯科受診 栄養状態の精査

【虫歯・歯の欠損】
(症状)歯の周囲歯肉の発赤 歯の欠け食べかすが残る など
(反応)食欲の低下 歯ブラシに顔を背ける
(処置)歯科受診(虫歯の治療)   軟毛歯ブラシの使用

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